クリスマス

クリスマス。この時期はいつも、お客様のところへサンタの姿で廻る。
 
もう、20年近くになる。
 
総勢数百名が、これまた数千件のお客様の家を回る。うちのグループの、風物詩と言ってもいい。
 
今年はコロナ。
 
今年はもう、できないだろうな、と私も思ってた。
 
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グループの一つ、岐阜のスタッフが、
 
「別にコロナだからってやめるのではなく、置き配でもいいから届けたいです」
 
と口にした。
 
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ウーバーから出前から、配達屋さんは、非接触のために置き配をしてる。
 
だから、ちゃんと消毒して、袋に入れて玄関に置き、お届けすれば、少なくとも「サンタが家にやってきた」というプレゼントは渡せるじゃん。
 
というもの。
 
・・・
 
いや、さすがだね。
 
自分のところのスタッフを褒めるのはアレだけど、よく気づいてくれた。
 
「コロナだから、クリスマス作戦をしなくても仕方がない」
 
と私は考えてしまっていた。
 
しかし、スタッフは、「なんとかやる方向」でしか、物事を考えなかったのだろう。
 
・・・
 
「感染対策でお邪魔できない→置き配すれば良い」というのは、言われてみれば普通のことかもしれない。
 
しかし、コロンブスの卵で、動く側、なんとかやる側で考えないと、この発想は出ない。
 
だって、ウチのスタッフは、毎年クリスマスを家族で過ごさず、お客様の家を回っている。つまり、イブを家族と過ごしたことがない。
 
だから、「今年こそ初めて、クリスマスを家族と過ごせるかも」と思ったっておかしくないんだから。
 
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クリスマスにプレゼントをするのは、郵送でも構わない。
 
しかし、私たちがプレゼントしたいのは、モノではない。
 
私たちのお客様は、子育て世代の方々。小さいお子様がいる。
 
そんな小さい子供たちの家に、、、
 
サンタがやって来る。
 
この体験こそが、私たちを選んでくださったお客様へのプレゼントなんだ。
 
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クリスマスイブ。
 
キリスト教の祭にちなんだこの日、街はジングルベルの音、テレビもクリスマス番組一色。新しい家で家族団欒を過ごしてる。
 
そんな夜に、、、
 
置き配で、玄関に置かれたプレゼントに、一枚のサンタの写真が挟まってる。
 
置いたらピンポンするからね、気づいてもらえるようにしてる。
 
「あれ?ピンポン鳴ったね」
 
とお父さんお母さんは言うだろう。
 
「なんだろう、〇〇くん、〇〇ちゃん、玄関見てきて」
 
と子供に頼むんだ。
 
子供は玄関を開けて驚くかもしれない。
 
「なんか置いてあるよ。あ!サンタさんだ!」
 
一枚のポラロイド写真は、サンタが玄関でピースしてる写真。
 
それを見て「サンタさんって、本当にいるんだ」と子供たちは目をキラキラ輝かせるだろう。
 
・・・
 
この一瞬。
 
今年は、それを彼ら自身の目で直接見ることは叶わないだろう。しかし、容易にその瞬間を想像することはできる。
 
この瞬間のために、この一瞬のためだけに、ウチのスタッフは今年も自分のクリスマスを潰して、それに殉じることだろう。
 
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毎年思うね。
 
ウチのスタッフは最高だよ。誇らしいとともに、尊敬するよ。
 
クリスマス作戦の写真を載せるね。会員さんには原本をメールで送るよ。
 
よかったらやってみてね。まだ間に合うから。