住宅コンサルタントとしてお施主さんの本音を自然に引き出す方法

お施主さんの本音を自然に引き出す方法

成果を出せる住宅コンサルタントと、成果を出せない住宅コンサルタントの違いは、お施主さんの本音を引き出せるかということが大きく関係しています。
本音をきちんと引き出すことができるコンサルタントは、お施主さんが感じている問題を正しく把握でき、その原因を突き止め、最善の解決策を導いてあげることができるのです。
今回は、お施主さんの本音を自然と引き出せるテクニックについてご紹介してみましょう。

お施主さんから自然に本音を引き出せるテクニック

1:うなずきと相づちで、ちゃんと聞いていることを示そう

あなたはお施主さんの話を聞いているときに、ちゃんとそれに反応していますか?話を聞いていても、ただ無表情なままでいては、相手は、自分の話をちゃんと聞いているのか確信をもてず、だんだん不安になってしまいます。
何も、必要以上に驚いたり、感心したり、わざとらしく合いの手を入れたりする必要はありません。ちゃんと話を聞いていることを示すには、まず、身体を相手に向け(顔だけではなく、身体全体を相手に向けて)、きちんとうなずいているところを見せ、適度に相づちを打てばいいのです。簡単な行動ですが、ちゃんと意識していないと、なかなかできません。
相手が話していて、ひと呼吸入ったなと思ったら、そこで「なるほど」「そうですね」という相づちとともに、うなずきの動作を適度に入れるわけです。
このとき、注意すべきは、あくまでも「適度に」ということです。
「ええ、はいはい、はい。ウンウンウンウン」
「なるほどなるほど、本当にそうですよね、はい。ですよね!」
そんなふうに大げさな反応をしてしまうと、わざとらしくなってしまい、かえって、自分が話したことがこちらの頭に入っていない、という印象を与えてしまいかねません。逆に信頼をなくすことになりますので注意しましょう。

2:早口にならないように、落ち着いて話そう

お施主さんの本音を引き出そうとあせって、つい早口になってしまっていませんか?
せかせかした話し方をすると、相手は、「落ち着きがない」「神経質」「せかされている」という印象をもってしまいます。そんな相手に本音を打ち明けようと思うでしょうか?
ゆっくりと言葉の間をあけ、あなたの言葉を相手が咀嚼する時間をちゃんと与えてあげましょう。
ゆっくり、落ち着いて、話してあげることによって、お施主さんは自然とリラックスしていき、あなたを自然に信頼するようになります。「この人は本音で話しても大丈夫な人だ」という気持ちになってもらえるのです。

3:話は最後まで聞き、短く質問して、さらに話を引き出そう

これは当たり前のことですが、ついおざなりになることがあるポイントです。
コンサルタントは、お施主さんの話を聞きながら、頭の中で、相手が話していることへの回答を考えていることが多いと言えます。これが過ぎると、相手が話し終えた瞬間、へたをすると相手の語尾にかぶせるぐらいの勢いで、自分が伝えたい答えを迸らせてしまうことがあるのです。相手にしてみれば失礼この上なく、そんなことではとても本音を引き出すことはできないでしょう。お施主さんに、「ちゃんと話聞いていてくれたのかな?」と思われてしますからです。
まずは、相手が言いたいことを全部言い終えるまで、集中して話を聞いてあげること。話を聞いているうちに、相手の思い違いに気づいたり、論点を整理したくなったり、解決のためのアイディアが頭の中に浮かんでくるかもしれません。でもそれをすぐに口に出すことをぐっと我慢しましょう。まずは話を聞くことが先決です。
お施主さんが話し終わったら、あらためてワンテンポ置き、ゆっくりした口調で、あなたの考えを話しましょう。そうすることで、お施主さんも、「この人は、自分が話したことに対して、ちゃんと考えながら話をしてくれている」という印象をもちます。そしてそれが本音を引き出すことにつながるのです。

上にも書いたように、コンサルタントは、住宅に関する知識やノウハウの引き出しをたくさん持っていますから、ついそれをすぐに話しくなってしまいます。しかし、それをやりすぎると、相手は、自分の話が軽視されたと思って、引いてしまうのです。
逆に、たとえばお施主さんの仕事上の専門的なことを質問するなどして、お施主さんの承認欲求を満足させてあげるのがいいでしょう。承認欲求を満足させてくれる相手は、すなわち信頼のおける人になれるのです。

また、極力短い質問を返すというテクニックを使ってみてください。これは、質問の情報量と答えの情報量が反比例する関係にあることから来ています。質問というものは、短ければ短いほどその返答はたくさんになり、質問が長いほど、相手の返答は短くなるものなのです。
「たとえばどういうことですか?」
「具体的にいうと?」
「その理由は何だと思いますか?」
「それは本当ですか?」
「それはどういう意味ですか?」
何も、ぶっきらぼうにするということではありません。
丁寧に対応するつもりで、ダラダラと長い質問をすると、それに対する答えはかえって短いものになってしまうのです。短い質問によって、相手はどんどん自分のことを話してくれるますから、それを丁寧に聞いてあげることによって、お施主さんの本音が浮き彫りになっていくわけです。

4.「助け舟」は、こちらが出すのではなく、相手に出してもらおう

会話をうまく弾ませようと普通は思ってしまいますが、相手が返答に困っているときに、つい助け船を出すことで、話を誘導してしまっている、ということはないでしょうか。じつは、これは本音を引き出すことから遠ざかってしまっていると言えます。
あなたの質問に対して、もし、お施主さんが考え込んでしまっても、せかしたり、助け舟を出したりせず、考えがまとまるまで、じっと辛抱強く待ってみましょう。ちょっと気まずいと思ってしまうかもしれませんが、その気まずさから本音を引き出すことができるのが、成果を出せるコンサルタントといえます。

逆に、コンサルタント側があえて沈黙してみることで、お施主さんにあえて助け船を出してもらうというテクニックにもつながります。
お客さんが気まずさに耐えかねて助け舟を出してくれる。
その助け舟の方向によって、お施主さんが、その話をどのような方向に進めたいのか、何をこちらに期待しているのかということがわかるわけです。
それがわかったら、お施主さんの本音がだんだん見えてくることでしょう。

まとめ

いかがでしたか。
今回紹介したポイントとテクニックで、お施主さんの本音を引き出すことができれば、あとはコンサルタントの腕の見せどころです。豊富な知識と経験をもとに、お施主さんが抱えている不安や悩みを解決して、満足できる家づくりにお施主さんを導いてください。
それが、成果を出せるコンサルタントになるための道にほかなりません。