気持ちよく家を売れる営業マンを育てるために

気持ちよく家を売れる営業マンを育てるために

私たちは人生のとても多くの時間を仕事に割いています。
仕事が充実することで人生にも活気が出ます。
自分の生きがいとなるような仕事に出会うことで、毎日を楽しく送ることができます。

住宅業界での仕事も、もちろん例外ではありません。
お施主さんにとって「家を買う」ことはほぼ一生に一度の出来事で、その節目に立ち会えるわけですから、他の仕事では味わえない達成感があるはずです。

しかし住宅業界の中には、そのような立場を無視し、「ノルマのためにただ売る」という会社が存在していることも事実です。夢や希望を抱きこの業界に足を踏み入れたのに、なんだか寂しいですね。

社員が誠実な働き方をすればお施主さん満足度も上がり、会社の評判にも繋がります。
住宅コンサルタントとしては、まず働きやすい会社をつくることが大切でしょう。

この記事では、住宅業界でよく聞かれる不満と、それがなくなったらどのようなことが起こるのかをまとめてみました。
コンサルタントとして現状を把握して“いい会社づくり”のきっかけとして下さい。

多くの住宅営業マンが覚える「違和感」そして「罪悪感」

住宅業界には多くの人が携わりますが、その中でも一番お施主さんの身近な存在となるのは営業マンです。
多くの営業マンの本音は、「気持ちよく売りたい」「正義で売りたい」ということです。
つまり、住宅業界の営業マンは、お施主さんが喜んでくれてこそハッピーになれるのです。
「お施主さんが一生愛せる家づくりのお手伝いをしたい!」という気持ちをつねに持っていますが、ところが現実はまったく違う会社が多いようです。

よく聞かれる不満は「数字ばかりに追われること」です。
もちろん営業成績は大切ですが、いつしかノルマに追われお施主さんのための家づくりではなく、自分のための家売りへと心情が変化してしまうのです。

するとどうでしょうか。お施主さんのためになる「A」の選択よりも、会社の利益のために「B」の選択肢を勧めてしまうということが出てきてしまうのです。せっかくの高い買い物なのに、お施主さんのために動けなかった自分に、絶望感を覚えてしまうことは言うまでもありませんね。気持ちよくお施主さんの前に立てず、罪悪感を持ち続けながら働くこととなるでしょう。

また住宅のコストに関しても、実情を知っている身としては、辛くなることもあるようです。実際、一般的なハウスメーカーの原価は3割と言われています。その原価にどんどん上乗せされて膨れ上がった金額を見ると、「自分はうそつきの詐欺師になってしまったのか……」と追いつめられてしまう人もいます。
正直に、気持ちよく家を売りたいはずなのに、自分自身が納得できず、葛藤に苦しんでしまうわけです。

社員の「不満」は、会社への「ダメージ」に

このような葛藤を作り上げている原因はなんでしょうか。
それは紛れもなく「会社」です。
数字のためにプレッシャーをかけ、売るためならなんでもしている上司や先輩の姿は、輝かしいどころか、見ていて心苦しくなってしまうものでしょう。
そんな雰囲気が社内に蔓延してしまっては、多くの人が「やらされている仕事」となり、覇気はなくなってしまうでしょう。

これは会社にとってもマイナスの事態です。
家は一生残る買い物です。その時はなんとかして売ろうと意気込みますが、住んでいくうちにお施主さん自身も不満を抱えてしまう可能性もあります。
住宅業界は口コミが会社の評判を左右するので、そんなお施主さんの不満が、会社にとって存続を危うくする元になってしまうことも大いにあり得ます。
気づいていない経営者も多くいますが、社員の満足度こそ、お施主さんの満足度に繋がっていくのです。

「正直」な営業が、社員とお施主さんのどちらも「幸せ」にする

それではコンサルタントとして、どのようにして社員の満足度を上げていくべきなのでしょうか。
それは「正直に家を売れる」環境を整えることです。

まずノルマで縛ることはやめましょう。
もちろん目標はあってしかるべきですが、単なる数字ではなく、お施主さんの満足度の高さこそが、営業のクオリティを示す重要な指標です。
金額を優先した提案をする社員教育は排除しましょう。
営業マン自身がお施主さんの立場と立った提案をするように教育していきます。
こうすることで、社員も誇り高く仕事に取組むことができるでしょう。

サティスホームの「プラスのサイクル」

私たちサティスホームは、お施主さんからの評判だけではなく、社員満足度も非常に高いのが自慢の会社です。
営業マンに対しては、予算がオーバーしてしまったときに「お施主さんと一緒に原因を探る」という教育を行っています。なんとかしてセールスの結果を出すのではなく、お施主さんと一緒に必要性の優先順位をつけたり、設備のグレードを下げたりして、予算内に収まることを考えます。

また、家づくり計画が始まったときから、アフターサービスについても、お施主さんと一緒にきちんと考えます。それによってお施主さんに安心していただくことができますし、営業マンにとっても、これから一生のお付き合いが始まることに気持ちが引き締まる効果があります。

さらにコストについても、サティスホームでは中間マージンを廃して、原価に近い価格で売っています。
通常、家を建てるときに高くつく「中間マージン」ですが、展示場や余計な広告にコストをかけないことで、お施主さんにきちんと還元しています。
余計な利益を載せていない見積りを出せるので、お施主さんの満足度も高くなり、営業マンとしても嘘のないやりとりができるわけです。そこには自然とお施主さんと営業マン両方の笑顔が生まれ、営業マンはやりがいを見出すことができます。

一見、理想を語っているように思われてしまうかもしれませんが、良い家が建てられるから、それが結果的に集客につながり、さらに良い家を建てられる――というプラスのサイクルを私たちは作り出すことができたのです。

社内にはギシギシとした雰囲気は漂わず、誰もが「お施主さんのため」を想っているので、関連業者さんからも高い評価を得ています。

罪悪感に苦しむ多くの営業マンにこそ、私たちと一緒に働いてほしいと思います。

まとめ ~もうひとつのプラスのサイクル

社員が気持ちよく働くことのできるから個人のモチベーションも高まり、自ら勉強する意思が生まれて、その結果一人ひとりのスキルが高くなります。これもひとつのプラスのサイクルと言えます。最終的にお施主さんの満足度を上げるためのサイクルなのです。
コンサルタントとしては、目先の利益よりもまず社内の環境をよくすることを心がけましょう。
誰もが納得できる働き方で「この会社に入ってよかった!」と思う人を増やしたいものですね。