絶対におぼえておきたい現場監督のための建築現場用語集[あ行]

絶対におぼえておきたい現場監督のための建築現場用語集[あ行]

新米の現場監督が途方にくれるのは、耳慣れない建築用語です。とくに現場では、職人さんたちが使う言葉は独特なので、建築関係の教育を受けていても、知らないような言葉がとびかっています。
職人さんが何のことを言っているかわからなかったら、コミュニケーションをとることはできないし、その工程を管理することもできなくなってしまいますね。
まだ経験が浅い現場監督がおぼえるべき建築現場の用語集を分割してお届けします。
最低限の知識として、すべて覚えてもいい用語ばかりです。

 

「あ」~「お」で始まる建築現場用語

RC造[あーるしーづくり]
鉄筋コンクリート構造(Reinforced Concrete)の頭文字を取った言葉です。RC造は、鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造です。引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造と言われています。

アウトドアリビング
リビングに面した庭や広めのバルコニーといった屋外の空間を、リビングの延長として室内と一体化させて活用するケースが増えてきています。屋外の床の高さを室内のリビングと揃えたテラスをアウトドアリビングと言います。

上がり框[あがりかまち]
玄関などの、履物を脱ぐ場所である三和土(たたき)と、上がり口との段差の上端に取りつける横木のことを上がり框と呼びます。上がり框があると、腰を下ろせます。この横木には、高価な材が用いられることがあります。

足場[あしば]
建物などの築造、修繕をする時、材料の運搬やその他作業をするために、丸太や鋼管などで組み立てた、足をかけるものが足場です。どんな工事でも、働く人たちの作業が安全にできる設備が必要です。足場があって初めて、作業ができると言っても過言ではありません。

アスファルトシングル
アスファルトシングルは、無機系の基材にアスファルトを塗った板状の屋根材です。軽量で、しかも安価で、複雑な屋根でも加工しやすく、防水性、耐震性にも優れています。アスファルトシングルで屋根を覆うのが「アスファルトシングル葺き」で、アスファルトシングルを接着剤で下地に張る工法、釘打ちによる工法があります。

アスベスト
耐久力があり、溶融点が高く、熱絶縁性や耐薬品性も大きく、安価だったために、かつては、断熱材、保温材、耐火材などに広く利用されていましたが、アスベストの繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることが判明し、2006年に全面的に輸入・製造・使用等が禁止されました。古い建物の解体などの際には、使用されていたアスベストが飛散する恐れがあるため、作業方法の基準などが定められています。

アプローチ
敷地の門から建物までの小道をアプローチといいます。大きな邸宅では、敷地前の道路から建物までの距離を広くとり、カーポートや前庭を配置し、アプローチを設けます。

アウトドアリビング
リビングに面している庭、広めのバルコニーなどといった屋外空間を、リビングの延長として一体的に活用すること。リビングと床の高さを揃えたテラスとし、屋外にあるもう一つのリビングとして扱うことが多いです。

アンカーボルト
アンカーボルトは、木材や鋼材といった構造部材、もしくは設備機器などを固定するために、コンクリートに埋め込んで使用します。コンクリートに取りつけられた構造部材や設備機器が、分離・浮遊・移動・転倒することを防ぐのがアンカーボルトの役割です。アンカーボルトは基礎と土台を緊結するための重要な金物です。

いちころ仕上[いちころしあげ]
塗装や左官工事などで、本来は数工程かけて仕上げる作業を一回の工程で仕上げることを「いちころ仕上」といいます。「一発仕上」などとも呼ばれます。

一文字葺き[いちもんじぶき]
一文字葺きは屋根の葺き方の一つです。平板を屋根面の水平方向に一直線になるようにつながるようにした葺き方のことです。

芋目地[いもめじ]
タイル、煉瓦、石、ブロックなどの積み方の一種です。縦・横とも一直線に通っているようにしたものを芋目地といいます。

入母屋[いりおもや]
屋根形状の一つで、上部においては切妻造(長辺側から見て前後2方向に勾配をもつ)、下部においては寄棟造(前後左右四方向へ勾配をもつ)となる構造をもつ

内法[うちのり]
うちのりと読みます。開口部などで、内側の寸法のことを内法と呼びます。壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積だけが床面積となります。
逆に、壁の厚みの中心線で囲まれた部分を床面積とする場合は、「壁心(へきしん・かべしん)」といいます。建築基準法上で、建築確認を申請する際には、建物の床面積は壁心で測定するよう定められています。

埋め殺し[うめもどし]
コンクリートなどを土中に埋めたままにしておくことを埋め殺しと言います。

ALC板[えーえるしーばん]
「Autoclaved Light Weight Concrete」の頭文字で、気泡の入った軽量のコンクリート板のことです。軽量で強度に優れ、耐火性・耐熱性、遮音性にも優れていることから、鉄骨造の外壁、屋根、床などに用いられます。

液状化現象[えきじょうかげんしょう]
地震の際に、水が飽和している緩い砂地盤が、地震の振動によって液体状になる現象です。最初に確認されたのは新潟地震で、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震でも発生し、東日本大震災では、千葉県浦安市をはじめ広範囲に発生し、大きな被害をもたらしました。

S造[えすづくり]
Sは「Steel」の頭文字。「鉄骨構造」のことです。柱と梁を鉄骨で作り、壁・床に木質系パネル、軽量気泡コンクリートパネル、窯業系パネルなど使用した構造になり、プレハブ住宅等で使用されます。

屋上防水工事[おくじょうぼうすいこうじ]
屋上の雨漏りを防ぐ工事のことです。屋上防水の方法としては、防水塗料を塗る塗膜防水、防水シートを貼るシート防水、アスファルトを含んだ不燃布等を重ねあわせて接着するアスファルト防水などがあり、屋根の形状や施工条件に応じて決めることになります。