絶対におぼえておきたい現場監督のための建築現場用語集[さ行]

絶対におぼえておきたい現場監督のための建築現場用語集[さ行]

 

「さ」~「そ」で始まる建築現場用語

さし値[さしね]
購入者の指定する値段のこと。

採光[さいこう]
居室に求める採光上有効な開口面積です。建築基準法では、居室には、採光のための開口部を設けることが義務づけられています。

在来工法[ざいらいこうほう]
在来工法とは、伝統工法を元に、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法で、木造軸組工法、在来軸組工法、在来木造、木造軸組など、さまざまな呼び方があります。柱、梁、筋かいなどの軸部材を組み合わせることによって構成されます。最近は筋かいの代わりに構造用合板(面材)を用いられます。

サーキュレーター
サーキュレーターは、空気を循環させ室温を均一にする装置です。冬は暖かい空気を下に送り、夏は冷たい空気を上に循環させます。サーキュレーターを併用することで、冷暖房による室温調節が効率的になり、電気代を抑える効果があります。

サービスヤード
サービスヤードとは、裏庭のことです。台所と直結しており、洗濯、物干し、ゴミ置き、通路等に使用されます。

サニタリー
浴室、洗面、トイレなどといった水まわり設備のことをサニタリーと呼びます。

3回路スイッチ[さんかいろすいっち]
ひとつの照明器具を2か所で点滅できるスイッチです。廊下の入り口と出口、階段の上下階などでは、このようなスイッチを付けることで生活が便利になります。

サンルーム
屋根や壁をガラス張りにしたり、大きな窓を設けることによって、室内に日光を多量に取り込めるよう工夫した部屋です。

産直住宅[さんちょくじゅうたく]
木材を伐採した地域で製材加工まで行い、中間の流通をカットして住宅建築の現場まで輸送する生産方式。日本の山林の荒廃を抑制する狙いもあり、自治体や建築団体が主体となって積極的活用を推進しています。

シート防水[シートぼうすい]
塩化ビニールや合成ゴムシートなどのルーフィングを接着材で下地に張り付け防水を行う工法。

シーリング
継ぎ目や隙間からの雨水の侵入を防ぐために、建物の継ぎ目や隙間を埋める工事のことです。
また、天井全般や、天井に直接つける照明のことも「シーリング」と言います。

直張り[じかばり]
板などを張る場合に、下張りを設けずに直接下地に張る工法のことです。

市街化区域・市街化調整区域[しがいかくいき][しがいかちょうせいくいき]
住宅や商業建築物などが建てられる区域を市街化区域、市街地になることを抑制する区域を市街化調整区域と言います。市街化調整区域には建築物は建てられません。

敷居[しきい]
居室開口部の下部に部屋を区切るために敷く水平材で、襖や障子などの建具を受けます。建具の受け方は、戸の開閉形式により、レールを設けたり、溝を彫ったりします。

システムキッチン
和製英語で、調理のための設備・器具を一体化した台所のことです。調理台、流し台、コンロ、収納スペースなどが組み合わせられ、天板をのせることによって全体が一つにまとめられているので、デザインに統一性をもたせ、空間を有効利用できます。

下端[したば]
部材の下面のこと。反対語は上端(うわば)といいます。

地鎮祭[じちんさい]
建物の建設に着手する前に、敷地の地主神をまつって祓い清め、工事の安全を祈願する祭事のことです。神道に基づくものが一般的ですが、仏教式やキリスト教式の地鎮祭もあります。祭主は棟梁です。完工後に後鎮祭を行うこともあります。詳しくは「一般人には一生に一度の「地鎮祭」について、お施主様にきちんと説明できますか?」を参照。

シックハウス症候群[しっくはうすしょうこうぐん]
床や壁の材料に含まれるホルムアルデヒドなどの化学物質が原因で起こる健康障害です。

地盤[じばん]
基礎地盤、構造物を支える土、砂、岩など、地殻そのものを指す用語です。事前調査、予備調査、本調査などが行われ、ボーリング、標準貫入試験、電気探査、土質試験、載荷試験などによって判定します。地盤の良し悪しは地質で決まります。

地盤沈下[じばんちんか]
地盤が圧縮され、沈んでいく現象です。地盤沈下が起こる原因は、主として地下水の過剰な汲み揚げです。埋め立て地であったり、盛り土が荷重により圧縮されて沈下することもあります。新築分譲した建物が地盤沈下によって損壊したときには、原因によっては瑕疵担保責任を問われる恐れがあります。

シャッター雨戸[しゃったーあまど]
シャッターのように上下に開閉する雨戸です。庇を兼ねた窓上部に収納するため、戸袋は不要で外観をすっきりさせられます。

上棟式[じょうとうしき]
工事が安全に滞りなく行われ、建物が無事に完成するよう願う儀式です。建物の構造である梁・柱が組みあがる日(上棟日)に行います。平安時代初期から行われている建物の守護神と匠の神を祀って、棟上げまで工事が終了したことに感謝し、無事、建物が完成することを祈願します。
「建前(たてまえ)」とも呼ばれます。主要な骨組みである「建前の儀式」が済めば、どのような家が建つのかがわかるため、基本方針や表向きの方針を指す言葉に転じたといわれます(「建前と本音」の「建前」)。
建前の儀式については、こんな逸話が民間に言い伝えられています。建前の前夜、ある高名な棟梁が柱が短いというミスに気づきました。もう直す時間はなくい、悩んでいたところ、棟梁の妻がその部分を升で補うという名案を思いつき、無事に建前を済ませることができました。しかし棟梁は秘密の発覚することを恐れ、なんと妻を殺してしまいます。まさに建前にこだわったために妻を殺してしまったことから、都合の悪いことをとりつくろう「建前」という言葉が生まれたという説もあります。

照度基準[ショウドキジュン]
場所によって望ましいとされている照明の明るさの度合いの基準です(リビングでは30~75ルクス、ダイニングでは50~100ルクス、寝室では10~30ルクス、洗面化粧台 → 200~500ルクスなど)。

水平力[すいへいりょく]
建物に加わる地面と水平方向の力で、地震力、風圧力などがあります。

筋違い[すじかい]
鉄骨造、木造などで、地震や風圧力といった水平方向の力に抵抗するために、柱と柱の間に対角線に沿って斜めに入れた部材のことです。筋違いを入れることによって、軸組が水平方向の力に対抗できるようになり、構造強度が増します。

スキップフロア
勾配のある土地などで、建築物の室内に半階分ずらした床を設け、空間に変化を付ける手法です。スキップフロアによって、上下の空間を分割・結合する効果が生まれます。

スレート葺き[すれーとぶき]
屋根の仕上げ方法の一つで、粘板岩を板状に加工したものなどで屋根を覆うことです。

筋かい[すじかい]
鉄骨造、木造などで水平力に抵抗する部材。

背、成(せい)
梁などの部材断面で上端から下端までの高さのこと。

積載荷重[せきさいかじゅう]
建物の床に載る荷重。人や家具等の荷重で建物の用途によって決められている数値にすることも可能。

接合部[せつごうぶ]
部材同士の取り合った部分。構造部材では、力の伝達を考慮した接合部の検討が必要です。

石膏プラスター[せっこうぷらすたー]
石膏(焼石膏)に水、砂などを混ぜ合わせた左官材料のこと。主成分は硫酸カルシウムで、水に溶ける性質があり、使用は内装に限られる。

石膏ボード[せっこうぼーど]
石膏を成分とした面材です。火災に強いため天井、壁の内装下地材として汎用されます。水に溶ける性質があり、使用は内装に限られます。

セットバック
敷地境界線、道路境界線から後退して建物を建てることです。

セミオープンタイプキッチン
キッチンとリビングがカウンターと吊戸棚で仕切られた半独立型タイプのキッチンです。

造作[ぞうさく]
建具、畳、床、鴨居、水道設備、空調設備など、建物の内部を構成する部材や設備のこと全般を言いますが、骨組が完成したあとに施される、天井、床の間、戸だな、畳、造りつけ家具、水道、ガス、装飾の造り付けなどの内外の木工事全般も「造作する」と呼びます。

添え柱[そえばしら]
柱の脇に添えられた小柱。木造在来工法で方杖を設けた場合に柱の補強としてよく使われます。

ソーラー発電[そーらーはつでん]
屋根の上になどに設置した集光板で太陽の光エネルギーを集め、電力を発生させるシステムです。二酸化炭素を排出せず、環境問題に対応したエネルギー源で、省エネにもつながるとして、ソーラー発電を採用するケースが増えています。自宅で発電した電気を電力会社に売る売電システムもあり、設置費用が廉価になれば、飛躍的に普及すると期待されています。