絶対におぼえておきたい 現場監督のための建築現場用語集[た行]

絶対におぼえておきたい 現場監督のための建築現場用語集[た行]

 

「た」~「と」で始まる建築現場用語

ダイヤフラム
鉄骨造の柱梁等の接合部の応力伝達を担い、仕口の剛性を高めるために設ける鋼板。感温膨張弁なと各種の弁や、ポンプなどの部品に用いられます。

第一種住居地域[だいいっしゅじゅうきょちいき]
都市計画法で定義される地域で、建ぺい率の限度は原則として50%、60%または80%。容積率の限度は100~500%。用途規制があり、建築できるもの、できないものが定められています。

耐火建築物[たいかけんちくぶつ]
火災発生時に、壁や柱などの建物の主要構造部が、1時間以上、倒壊したり燃え広がったりせず、延焼の恐れのある窓やドアに、防火戸などのような火災を遮る設備がある建築物を言います。都市計画で定められた防火地域内の一定の建築物は、耐火建築物としなければなりません。

耐火等級[たいかとうきゅう]
住宅性能表示制度で、住宅の部位がどの程度火に強いかを示す等級です。

耐震診断[たいしんしんだん]
建物の耐震性を、想定される地震に対する安全性(耐震性)、受ける被害の程度で判定することです。

太陽光発電[たいようこうはつでん]
太陽電池によって太陽光のエネルギーを直接に電力に変換する発電方式です。太陽光発電は、発電時に廃棄物、CO2等を発生しません。ただし、他の発電方式に比べて高コストであり、夜間や雨天時は発電できない、スケールメリットが効かないなどのデメリットもあります。太陽光発電と他の発電とを組み合わせて、発電、消費、売電、買電を適切に制御するシステムも開発・運用されています。

耐力壁[たいりょくへき]
建築物において、地震や風圧による水平力、建物自重・積載荷重などの垂直力に抵抗する能力を持つ壁のことです。代表的なのは、筋かいを設けた壁です。耐力壁をバランスよく配置することで、建物の耐震性も高まります。
建築物の形状や面積によって、耐力壁をどれだけ備えるべきかという基準が建築基準法施行令にあり、これを「必要壁量」といいます。震力・風圧力とも下の階にいくほど多くの力がかかるため、下の階ほど強度の高い耐力壁を多く備えることが要求されています。また、奥行きの長い建築物ほど多くの力がかかるため、必要壁量も多くなります。

宅地造成工事[たくちぞうせいこうじ]
土地を宅地とするために、傾斜をなくす切り土・盛り土等の工事、擁壁の設置工事、排水施設の設置工事、地盤の改良工事などを行うことです。形成された宅地は「造成地」と呼ばれます。宅地造成工事規制区域で宅地造成工事をするためには、工事に着手する前に、知事、または政令市・中核市・特例市の市長の許可が必要です。

高窓[たかまど]
壁面の上部に設置する窓です。家具などがあって上部にしか設けられない場合や、採光のために高窓を取りつけることがあります。

ダクト
送風管や排風管のように、空気を所定の場所に導くための長方形や円形の管路。

三和土[たたき]
叩き土、漆喰、コンクリートなどで叩き固めて仕上げられた土間のこと。「たたき」という言葉は「敲き土」を略したもので、三種類の材料(赤土・砂利などに消石灰とにがり)を混ぜて練り、叩きかためることから「三和土」と書かれるようになりました。その叩き方が生半可だと良い土間にならないといわれたことから、下積み時代の苦労を経て一人前になることを「たたきあげ」というようになりました。

畳[たたみ]
広さの単位として使われる「畳」は、地域によって大きさの違いがあります。京間は6尺3寸×3尺1寸5分、江戸間・田舎間は6尺×3尺です(1尺=0.30303m=10寸=100分)。不動産広告における面積の表示はメートル法を原則としなければらないと定められています。

建端[たっぱ]
建物の高さを表すときに使う言葉です。

建売住宅[たてうりじゅうたく]
分譲宅地に建築され、敷地と一緒に販売される住宅のこと。

建具[たてぐ]
障子・とびら・戸などの窓や出入口などの開閉部材のことです。

建前[たてまえ]
木造建築で、基礎の上に柱、梁、旨などの主な骨格を組み上げること、そのときに行う儀式を「建前」といいます。建前が完成すればどのような家が建つのかがわかるため、基本方針や表向きの方針を指す言葉としても使われています。
建前という言葉の由来については、こんな言い伝えもあります。ある高名な棟梁が建前の前夜にミスに気づいたのですが、もう直す時間がありませんでした。しかし棟梁の妻がそれを補修する名案を思いつき、無事に建前を済ませることができました。しかし棟梁は秘密の発覚を恐れて妻を殺してしまいます。建前にこだわったために妻を殺してしまったことから、都合の悪いことをとりつくろった「建前」という言葉が生まれたそうです。

縦水[たてみず]
垂直のことです。

谷[たに]
屋根の、水下の交差する部分のことです。

だめ
工事が終わったと思っても、なお完全でない部分が残ることがあります。これを「だめ」といいます。「だめ」がないかどうか点検してまわるのことを「だめまわり」「だめおし」と呼びます。

垂れ壁[たれかべ]
天井から下がっている丈の短い壁のことです。下がり壁ともいいます。

緞通[だんつう]
厚手の織物類で、床に敷いたり、装飾に用いるカーペットの一種です。特に手織りのものを指します。

断熱材[だんねつざい]
グラスウールやロックウール・ウレタン系・セルロースなど、熱を防ぐ様々な材料の総称です。建物の外壁や屋根下地などに入れて、外からの熱を遮断・保温したりするのに使用します。羊毛なども断熱材として使用されます。

地下室[ちかしつ]
床面から天井までの高さの3分の1以上が平均地盤面より下にある部屋が、建築基準法上での「地下室」です。地下室の床面から天井までが2.4mなら、地下室の床面から地盤面までの高さを80cm以上にすれば、法律上は「地下室」となります(そのように、地盤面から見れば「やや下にある1階部分」のように見える場合でも、法律上は「地下室」ということになります)。地下室の扱いになると、床面積の1/8までは容積率に参入しなくてもいいというメリットがあります。

地耐力[ちたいりょく]
地盤がどの程度の荷重に耐えられるか、また、地盤の沈下に対して抵抗力がどのくらいあるかを示す指標を地耐力といいます。

地目[ちもく]
土地がどのように利用されているかを表します。田や畑、宅地、山林など21種類に分類されています。

鳥瞰図[ちょうかんず]
高い位置から見おろした状態の透視図のことです。

丁番[ちょうばん]
開き戸等の吊り元に取付けられる建具金物のことでう。

チーク
広葉樹の一種で、耐久性に優れた高級材です。赤みがかった褐色をしており、軽く、堅く、曲がりにくいという特長があります。

ツーバイフォー工法
北米で生まれた木造建築の工法で、2インチ×4インチの大きさの材料を基準として、数種類の組み合わせで、家の骨組みを構成します。日本での正式名称は「枠組壁工法」。最大の特徴は、木材で組んだ「枠組」に構造用合板を打ち付けることで、構造全体の強度が得られることです。

坪[つぼ]
土地面積や部屋の広さの単位で、1坪=3.3平方メートル。床面積1坪当たりの工事費をツボ単価といいます(延べ床面積を坪単位に換算し、建物の本体価格を坪数で割った金額)。

つなぎ融資[つなぎゆうし]
住宅・宅地の取得資金や工事代金を支払うために、公的な融資が実行されたり、不動産の売却代金を得るまでの間、一時的に資金を借りることです。公的融資の実行は土地・建物の登記後とされ、登記は決済後でないとできないため、このような短期融資が必要となります。

つま
へりとか端(はし)などのことです。建物の側面のことも「つま」と言います。

定期借地権[ていきしゃくちけん]
定期借地権とは、借地権の存続期間が満了した際に、地主側の正当事由の有無にかかわらず、借地人は借地を地主に返還しなければならないというものです。

定着[ていちゃく]
鉄筋が引き抜けないように、コンクリートに固定することです。

出来高勘定[できだかかんじょう]
最初に価格を決めずに、工事完成後、あるいは分割して費用の支払勘定をすることを差します。出来高払いとも言います。なお、定められた工賃×出来高で賃金を計算する方法を、出来高賃金と言います。

デザイナーズ住宅[でざいなーずじゅうたく]
デザインが優れた住宅のことですが、明確な定義はありません。設計による付加価値が重視される住宅です。外観だけでなく、住み心地、使い勝手、安全性、耐久性など、様々な面で優れたものを指します。

出隅[ですみ]
壁などの2つの面でできた外側の角のことです。入り合ってできる外壁の角を入隅(いりずみ)と言います。

出づら
現場における職人等の1日の作業人員数、または1日の賃金のことです。
手間[てま]
労力または工賃のことです。大工手間、左官手間などというふうに使います。

出窓[でまど]
外壁から外部に突き出した窓のことです。

手持ち[てもち]
材料が届くまで、または段取りができるまで仕事がなくて、待っている状態のことです。手あきともいいます。

テラコッタ
土を素焼きにしたタイルなどの材料です。

DENスペース[でんすぺーす]
窓が小さいなど居室にできない部屋で、主にパソコンを使用するために部屋として電源コンセントなどを充実させている空間のことです。書斎や趣味・家事などに使われることが多いです。広さ・形の基準はなく、間取り図にはDENと表示されます。

ドアクローザー
開き戸の上部に取り付ける装置で、開いたドアをゆっくりと自動的に閉めることができる装置です。

陶器瓦[とうきがわら]
粘土瓦の一種。粘土を瓦の形にかたどったものの上に釉薬(うわ薬)をかけて、窯の中に入れて高温で焼き上げた瓦のこと

凍結深度[とうけつしんど]
冬場に気温が0度以下に下がるような寒冷地では、地表から下の一定の深さまで凍結するが、ある深さから地盤の凍結がなくなる。このラインのこと

胴差し[どうさし]
木造で2階以上の床の位置で床梁を受け、上下階の管柱を受ける横架材です。

胴縁[どうぶち]
合板やボードなどを張る際の壁の下地部材

道路斜線[どうろしゃせん]
道路の幅によって、建築物の高さを制限することです。

通し柱[とおしばしら]
2階建て以上の木造建築物で、1階から2階まで通された柱のことです。建物の隅などの要所に使われます。

独立基礎[どくりつきそ]
柱の位置に単独で設けられる基礎。独立フーチング基礎ともいう

床柱[とこばしら]
床の間の横にある、他と違った化粧柱のことです。和室全体の調和の決め手になるため、黒檀、紫檀、絞り丸太、出節柱など材質や木目にこだわったものが使われます。

土台[どだい]
木造の最下部で、横にして据える材のこと

突貫[とっかん]
急いで一気に工事をすることで、突貫工事などというふうに使われます。

鳶[とび]
土建工事で、高いところの部材組立、重量物の移動などで働く技能工のことです。

戸袋[とぶくろ]
雨戸を収納する、箱状のスペースです。主に和風住宅に設けられ、縁側や窓の敷居の端に作られます。

戸襖[トブスマ]
戸の片面を板戸、片面を襖に仕上げた戸のことです。

とら
タワーなどの高い構造物が倒れないために張った、控え用の鋼やワイヤーロープのことです。とらの下端を「とらじり」といいます。

ドライエリア
地下室を設けるときに、採光・通風などの目的のために設ける空掘りのことです。

トラス構造[とらすこうぞう]
三角形を基本としたピンで部材を結合した構造です。三角形を基本とするため形が安定するという特長があります。軽量で曲げに強い構造を実現でき、耐震化のための補強手法などに幅広く活用されている。典型的な構築物としては、小屋組、トラス橋、鉄塔などがあります。

ドレーン
雨水などを排出するための排水口です。